• 会長・中村です。
    2月13日に亡くなられた松本零士先生の作品の思い出を少し書かせてください。

    氏の作品を初めて読んだのは小学生の頃。『週刊少年マガジン』で連載された「男おいどん」でした。
    大四畳半、ラーメンライス、サルマタケ、下宿館のバーサン、トリさん、といったユニークなモチーフとキャラクターは強烈で、幼い自分は主人公・大山昇太の抱える孤独感に、いつか成長する己の姿をダブらせていたように思います。

    そして、その後の氏の代表作である「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」といったロマン溢れるSF大作は、大いに胸を躍らせてくれました。

    けれど、もう一つここで紹介したいのは「戦場まんがシリーズ」(『週刊少年サンデー』ほか)のことです。
    読切シリーズの形で発表された本作は、戦場の過酷な状況下で必死に生き抜こうとする兵士たちの群像を描きます。同時にそこに登場する戦争兵器の数々もまた悲しい登場人物のように感じました。

    また、毎回30P前後の短い枚数の一話完結で、それぞれシチュエーションが違う物語を描き、凝縮されたテーマを的確に伝える作劇の巧みさは、その演出手法の点でも多くのマンガ描きの皆さんに触れて欲しい傑作です。

    とくに画像を引用した「音速雷撃隊」(『オーロラの牙』収録)のエピソードは、10代半ばの自分に戦争の恐ろしさと愚かさの両方を心に深く刻みました。
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    (作中の表現は現在の版では「大バカ」と変更されていますが、自分が読んだ当時の心象を伝えるために、旧版の画像を引用させていただきました。)

    今まさに戦時下にあるこの世界だからこそ、多くの人に読んで欲しい作品です。

    あらためて沢山の作品を遺された松本零士先生のご冥福を心から祈ります。

  • 会長・中村です。
    私がコミティア実行委員会代表時代に37年間書き続けた、
    カタログ『ティアズマガジン』の巻頭ごあいさつを集めた、
    『コミティアの創り方~ティアズマガジンのごあいさつ完全版』が遂に完成しました。

    自分の歴史がこの一冊にまるごと詰まっているようで、しみじみと愛しいです。
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    2/19 COMITIA143当日は東5ホール本部横の『中村公彦会長就任記念ブース』にて販売します(1冊1000円)。
    付録で山川直人さんが描きおろしてくれた表紙イラストのカラー版のポストカードも付きます(枚数限定)。
    私・中村も10:30~12:0014:30~15:30の時間帯は販売ブースにおりますので、よろしければぜひお訪ねください。

  • 【2023年8月3日 追記】本規定の有効期限は2023年9月3日開催のCOMITIA145までとします。以降については【COMITIA146より】AI作品に関するサークル販売物規定についてをご参照ください。

    代表の吉田です。コミティアの販売物規定に関するお知らせです。

    1.はじめに。本エントリーの目的
    2023年2月6日より数件、コミティアのサークル販売物規定(以下、ガイドライン)で細かいルールを定めていない「AIによる技術を利用した作品」(以下、AI作品)について、お問い合わせをいただいています。
    本エントリーはそれらのお問い合わせに対する回答を兼ね、現在のコミティアの方針について周知することを目的として公開するものです。

    2.お問い合わせいただいている内容、懸念点
    個々の問い合わせの内容を公開、引用することはいたしませんが、概ね同内容であると認識しています。
    それらを統合しますと『著作権で保護されている他人のイラストを無断で学習させたAI作品をほぼ手を加えていないような状態で、オリジナルに限定したコミティアで販売されることに違和感がある。実行委員会の考えを教えて欲しい』といったものになるかと思います。

    3.現時点でのルール、および今後のガイドライン更新予定
    2023年2月時点でコミティアではAI作品に関するガイドラインはまだありませんし、現時点でAI作品であることのみを理由として販売・頒布を禁止するというようなルールはありません。
    ただし、使用するAIの利用規約を守っていないもの、明確な法令違反と判断できるものについては既存のガイドラインから考えて不可と考えます。
    これがコミティアでの現時点でのルールとなりますが、このような回答が、「2.」で書いた問い合わせ内容をお寄せいただいたことへのお答えとしては不十分であることも認識しています。
    このように既存のガイドラインを当てはめて考えることが難しい新しい技術や表現手段については、実際に発表される作品傾向を確認しながらガイドラインの整備を行っています。
    AI作品については、世界的にも適切な使い方について議論が進んでいる最中と認識しています。社会通念上のルールも曖昧であり、コミティアで的確なルールを決めるには、判断材料が不足していると考えます。そのため、ガイドラインの策定には今しばらくお時間を頂戴できれば幸いです。
    ただし、本件は参加者の関心の強い事柄と認識しています。出来るだけ早い時期、できれば2023年中には方針を固めて発表できればと考えています。

    4.ガイドライン策定に向けた問題点の整理
    懸念されているのはAI技術を「好ましくない形」で利用した場合ですので、AIの利用自体を制限することは現実的ではないと考えます。出力された「AI作品」から得たインスピレーションやアイデアを元に、自身で新しい作品を作り上げる方もいるかもしれません。
    問題はこうした技術が適切に使用されるかどうかでしょう。ここで言う「適切」とは、使用する側のモラルに依存するもので、問題を複雑にしている原因です。
    AI作品のデータ学習や生成の中で特定の個人に対し不利益が発生しないようにすることは、コミティアのガイドライン以前に人としてのマナーであるようにも思います。
    そもそも個々の作品がAI作品なのかどうか、作者側が明言しなければ判断する手段がないことも念頭に置く必要があります。
    果たしてどのような場合がコミティアとして「好ましくない形」と考えるべきかは悩ましいです。

    5.ガイドライン策定までの対応方針
    提出される見本誌をベースに、個々のケースについての都度、対応や可否を検討します。
    なお当日の開会前に大量に提出される見本誌全てに対して正確な判断を行うことはできません。
    会期中、あるいは開催終了後、見本誌を確認し、明確な問題が確認できた場合は今後の販売をご遠慮いただくことも含め、対応に関し個別にご連絡します。
    過去に販売が可能だったことは、今後の販売が可能であることを保証するものではありません。その点も誤解ないようお願いいたします。
    コミティアとしてはどんな作品でもしっかりと内容を確認した上で、評価を行いたいと考えています。
    そのためサークルカットや、販売物の告知については参考情報として取り扱います。

    6.まとめ
    ・AI作品の販売・頒布を禁止するルールや、AI作品に関する細かいルールは現状ありません。
    ・個々のAIの利用規約や、法令の遵守は必須です。何より良識を守って使うことが大事だと思います。
    ・2023年中に、もう少し踏み込んだ方針を出せたらと考えています。それまでは個々に対応を行います。

    以上です。

    《更新履歴》
    2023年2月9日 本エントリー公開
    2023年8月3日 本規定の有効期限をCOMITIA145までとし、COMITIA146以降の規定についてのリンクを本ページ先頭に記載しました。

  • 会長・中村です。
    米沢嘉博記念図書館で開催中の「矢口高雄展 夢を見て 描き続けて」に行ってきました。

    氏の代表作「釣りキチ三平」(週刊少年マガジン連載)を読んでいたのは、私が10代の頃。あらためて往時の画稿を観ていると、その自然描写の美しさ、躍動的な構図にため息が出ます。原画展のキービジュアルの絵も素晴らしいですね。この密度の仕事を週刊連載でしていたのかと思うと、あらためてその偉業に感服しました。
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    平日のことでしたが、若い層の来館者も多く、50年近く前の原稿用紙にペンで描かれた作品が、今のデジタル世代の表現者に刺激を与えているのも興味深いです。
    会場では矢口先生本人のインタビュー映像も流れていましたが、「漫画界で生き抜くには自分にしか描けない物を持たねばならない。自分の場合は幼い頃より自然の中で生きてきたことだった。それなら手塚治虫先生にも負けない」という言葉に、強い自負と共に、先達からの後進への熱いエールを感じました。
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    会期は2月13日(月)までと残り少ないですが、この週末にでもお時間がある方はぜひ観に行ってみてください。

    —————————————-
    矢口高雄展 夢を見て 描き続けて
    《入場無料》
    会 場:明治大学 米沢嘉博記念図書館・現代マンガ図書館 1階
    会 期:2022年10月14日(金) ~ 2023年2月13日(月)
    開館日:月・金14:00~20:00、土・日・祝12:00~18:00
    休館日:火・水・木(ただし祝日の場合は開館)、12月25日(日)~2023年1月7日(土)
    —————————————-

  • 会長・中村です。
    昨日は文化庁メディア芸術祭25周年企画展の内覧会に行ってきました。

    昨年の第25回をもって惜しまれつつ終了した「文化庁メディア芸術祭」の歴史を、歴代の受賞作品の展示で振り返るもの。
    アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門の展示が一堂に会し、それぞれの表現の多様性に触れられるのもこの賞の面白さでした。本展でもその魅力がぎゅっと圧縮されて密度の濃い展示になっています。
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    コミティアにご縁のある作家の展示も多く、第11回(2007年)マンガ部門の奨励賞を『天顕祭』で受賞した白井弓子さんも会場に来られていました。『天顕祭』のラフ画や未使用原稿の展示もあり、充実した内容です。
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    私・中村公彦自身も、第17回(2013年)に功労賞を受賞しているので、その時のトークショーのゲストのbelneさん、山川直人さんとの寄せ書き色紙も飾られていました。しみじみ思い出深いです。
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    この展示会の会期は本日2/4より2/14まで。興味を持ってもらえたらぜひ足をお運びください。

    —————————————-
    文化庁メディア芸術祭25周年企画展
    会期:2023.2.4(土)~14(火) ※ 2月7日 (火) 休館
    時間:日曜日~木曜日 11:00 – 19:00
       金曜日、土曜日 11:00 – 20:00
    会場:寺田倉庫B&C HALL / E HALL(東京都品川区東品川2-1-3)
    入場料:無料
    主催:文化庁
    —————————————-

  • こんにちは、代表の吉田です。
    2月19日開催のCOMITIA143のカタログ『ティアズマガジン143』が今週末(2/5)より発売開始となります。

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    ののもとむむむさんによる、和とSFが融合した表紙イラストが目印!
    取扱書店や通販情報は【カタログ販売情報】をご覧ください。

    ・実店舗の店頭販売は、流通の都合により発売日に入荷しないことがあります。事前に電話で確認をおすすめします。一部都内の書店では前日(2/4)に入荷次第、販売が開始されます。
    ・通信販売は、現在予約が始まっている書店があります。開催直前になると注文が締め切られますので、開催1週間前までのご購入をお勧めします。

    ▼カタログ『ティアズマガジン143』の主な内容
    ———————————-
    【FRONTVIEW】
    紫のあ[murasakino]
    こきあいりん[藍色劇場]
    藤想[抱っこなどのふれあい]

    【連載記事&コラム】
    [新連載] 会長 中村公彦のコミティア的日常
    ばるぼら「コミティア魂」第7回
    東京好奇心散歩「いちご狩り」砂虫隼(乱痴気事虫所)
    BELNEのCOMIC WORK SHOP in TIA’S

    のん「bar図書室だより」
    てふや食堂「カンタン修羅場めし」
    [新連載] ケロ「漫画家ちゃんが作曲をするようです」
    こねやまこねお「マンガ編集者は静かに暮らしたい。」

    表紙イラスト:ののもとむむむ(SOFT MATINE)
    ———————————-
    ・全ての参加サークルのPRカット、サークルや同人誌の紹介記事やインタビューなど読み物満載のコミティア公式カタログです。
    ・PCやスマートフォンからサークルのチェックや会場図の印刷などが出来る「WEBカタログ」の利用が可能になる「アカウント作成コード」が付属します。

    お知らせは以上です。
    よろしくお願いいたします!

  • 会長・中村です。
    引き続き、年が明けて1月22日に開催された関西コミティア66のレポートをお送りします。

    前回9月に続き京都パルスプラザでの開催。前回は台風の直撃を受け、公共交通機関が軒並み運休となったため、閉会時間を1時間繰り上げるなどの対応を行いましたが、泣く泣く参加を諦めた方も多かったことでしょう。

    今回はそうした災害の心配もなく、コロナによる新規感染者数も減り始めたタイミングで、前回参加できなかった悔しさを取り戻すかのように多くの人が参加してくれました。
    お昼過ぎには入場証替わりのティアズマガジンも完売(以降は検温済の証明となるリストバンド販売に切替)。おかげ様で会場は終日にぎわいました。
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    東京の出張委託コーナーも販売開始から人の波が途切れず、販売冊数もコロナ前のレベルに近づいたほど。たくさんの委託本を参加者に手渡しすることが出来、つくづく無事開催できた有難さをかみしめました。

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    次回の関西コミティア67は5月21日にインテックス大阪にて開催。久し振りの大阪でたくさんのご参加をお待ちしています!

  • 会長・中村です。
    代表退任したもののすっかりバタついてしまい、遅くなりましたが12月11日に参加したみちのくコミティア9レポートをお送りします。

    前回6月の仙台出張開催から、今回は1年ぶりに福島県郡山市に戻って、「ビッグパレットふくしま」での開催。オールジャンルイベント「THE ADVENTURES」との合同開催の形となりました。
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    朝の会場設営から参加しましたが、現状で感染症対策のためにサークルの机と机の間隔を空けるのに、パイプ椅子を机の間に置いて空間を取り、机の設置が終わると椅子はそのままサークルが使う場所に並べ替える形で、上手いシステムだなと思いました。東京コミティアの規模では援用は難しいですが、小規模のイベントの場合は参考になるのではないかと思います。
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    さて、久しぶりのホームでの開催で参加者もみんな楽しそう。盛り上がったのはコスプレファッションショーで、特設ステージ上で思い思いのポージングでの撮影タイム。最後は全員参加の記念撮影で幕となりました。これはオールジャンルイベントとの合同開催ならではの企画ですね。
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    東京の出張委託コーナーと、東京のティアズマガジンのPush&Reviewで紹介した見本誌を展示するコーナーも多くの人が立ち寄ってくれました。東京コミティアの参加サークルさんの本を各地のコミティアで紹介できるように、これからも活動してゆきますので、各会場に来られたらぜひお立ち寄りください。


    次回みちのくコミティア10はまた仙台出張。5月27日に夢メッセみやぎで開催します。
    宮城県近隣の方を始め、東北地方一円の皆さんのご参加を楽しみにお待ちしています。

  • 代表交代・会長就任のお知らせ でお伝えした通り、代表となった(ヨ)こと、吉田です。

    今回は12/3(土)、札幌コンベンションセンターで開催された北海道コミティア16の参加レポートをお届けします。
    ちなみに中村会長は同日、東京でCOMITIA142の見本誌読書会に参加するため不参加となりました。

    1203カタログ

    札幌は連日0度以下の気温が続いており、会場周辺は雪で真っ白。当日も時おり雪が降るような天気でした。
    何度も北海道コミティアには参加しているのですが、ここまで北国らしい天気は久しぶりです。

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    1年8ヶ月ぶりの開催となった前回から半年、他と比較しても厳しめに感じた感染症対策に一部緩和も図られていました。
    サークル側のフェイスガード着用(またはパーティションの使用)が解除され、1机につき1サークルまでの配置も2サークル配置に戻り、さらに見本誌閲覧コーナーも復活! だいぶ快適になりました。
    参加サークルは合計256サークルと、前回の305サークルから減っていますが、土曜日開催となってしまったことを考えれば致し方ない数字でしょう。
    そうした状況にも関わらず、東京コミティアの参加サークルさんから本を預かって販売する「出張委託」販売コーナーは盛況で、参加者の皆さんの熱量を感じました。
    次回以降のさらなる盛り上がりに繋がるような良い回だったように思います。

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    開催地となる札幌は食べ物も美味しく、見どころが沢山ありますので、観光を兼ねての遠征もオススメです。機会があればぜひご参加ください!

    レポートは以上です。

    実はコミティアは現在、新潟コミティア、東京コミティア、北海道コミティアと3週連続で開催中。さらに今週末12/11には、みちのくコミティアがあります。
    私は3週連続で参加したため疲労困憊で、残念ながらお休みする予定なのですが、いつも通り中村会長が参加しますので、レポートをお楽しみに~。

  • あらためて実行委員会会長になった中村です。
    報告が遅くなりましたが、11/20(日)に開催された新潟コミティア55に参加してきました。

    今回は同じ会場でオールジャンル即売会のガタケット172や、2.5次元舞台の俳優さんや声優さんのトークショーなども行われ、総称として「スーパーガタケット」で開催。おかげで来場者はとても多く大盛況でした。
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    即売会終了後は新潟コミティア名物?のbelneさんの実地版コミックワークショップも有り、みっちりと作品講評を聴けました。熱のこもった言葉に参加した皆さんが励まされたことでしょう。これからもたくさんの作家さんに参加して欲しいと思います。
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    東京の出張委託コーナーと、東京のティアズマガジンのPush&Reviewで紹介した見本誌を展示するコーナーも多くの人が立ち寄ってくれました。東京コミティアの参加サークルさんの本を各地のコミティアで紹介できるように、これからも活動してゆきますので、各会場に来られたらぜひお立ち寄りください。


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